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「はいはーい質問なんですけどー
先生は彼女いるんですかっっ!!」
なんで女子はこういうことを聞かずにはいられないんだろう。
いてもいなくてもお前には関係ないだろうに。
怜は心の中で呟く。
基本的に騒がしいのが嫌いな彼の不快指数は急上昇中である。
「(クスッ)プライベートは基本的に内緒です。」
そう言って神崎はまた微笑む。その爽やかな笑みにまた女子が騒ぐ。
耳障りな、かん高い声。
…本気で帰ろうか。いや、むしろ帰らせろ。
怜の目が完全に据わっている。
「このクラスは芸能人級の美形が2人もいるのねー!
私このクラスでよかったー!!」
1人の女子が陶酔したようにうっとりして言う。
怜には何が彼女をそこまで熱くするのか理解不能だった。
「あはは。ありがとう。じゃあもう1人の美形さんは誰ですか?」
女子からのこんな反応には慣れているのだろう。
神崎は特に反応せずその女子に問いかける。
「そりゃあもちろん紫堂君よねー!!」
女子がまた一斉に騒ぎながら怜のほうを向く。
怜が無表情に、ピシリと音をたてて固まった。
え…いや、本気でやめてくれ。
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