平穏の終わり

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辟易(へきえき)していた時、こっちを向いた神崎と目があった。 その瞬間。 パンッ また、何かが砕けるような音がした。 さっきよりも大きく。さっきよりもさらに鮮明に。 軽く怜が目を瞠ると、同時に神崎も目を瞠り、その後口の端がつりあがった。 さっきと別人のような笑み。 しかしこっちを向いているクラスの連中にはその笑みは見えない。 そしてその唇は確かに小さく言葉を紡いだ。 「見つけた」と。
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