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いきなりわけのわからない力が暴走し、
その力は妖魔とかいう人間の敵を倒すための霊力であり、
今までただの言い伝えと思っていた話は実際にあった事実であり、
そして自分は、言い伝えの中の『破魔の一族』であると告げられた。
いまだかつて、自分がここまで動揺したことはなかっただろう。
そう思うほど怜は混乱していた。
気を抜けば停止しそうな頭をフル回転で回転させる。
おおよそ信じられることではないが、たった今自分の力を身をもって感じたのだから、神崎の言うことは事実なのだろう。
しかし、はいそうですかと聞き入れるには余りにも非現実的だと思った。
「マジか…」
怜は深くため息をつく。
「そういえば、さっき先生の目を見た瞬間、力がものすごい暴走した感じががし
たんだけど。
あれは何でだ?」
忘れていたことを神崎に問いかける。
自分の中で力の渦がうねるあの感覚。
ともすれば、自分自身さえも飲みこもうとする力の奔流。
「あれは…、申し訳ありません。
ただでさえ力が覚醒したばかりで不安定な時に接触したことで、あなたの霊力が私の霊力に影響され、暴走したようです。」
神崎は本当に申し訳なさそうに深く頭を下げた。
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