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校門を出て、怜はまっすぐ商店街へ向かう。
着いた先は、彼には到底似合いそうもない激安スーパー。
「さて、今日いるものは…。お…卵安っ。」
怜はカートを押しながら
手慣れた様子で安売りの野菜や肉などを次々とかごへ入れていく。
そして必要なものを買った怜は両手に袋をさげ、スーパーを後にした。
「ただいま。」
怜が靴を脱ぎ、そう言うと、建物の奥から一斉に子供たちが飛び出してきた。
『怜兄ちゃんおかえり―!』
「怜兄ちゃん宿題教えて―!」
「怜兄ちゃんサッカーやろ―!」
「怜兄ちゃん絵本読んで―!」
子供たちは一斉に怜にじゃれついている。
「分かった分かった。ちょっと待て、これ置いてくるから。」
怜は苦笑しながら子供たちの頭を撫でてやる。
普段無表情な彼だが、今のその眼差しはどこまでも温かい。
ここにいる子供たちは怜にとって大切な妹弟(きょうだい)だった。
ここは一種の孤児院であり、
親が育てることを放棄した子供たちや
様々な理由で親がいない子供たちが暮らしており、怜もその一人である。
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