銀の月

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ちなみにこの青宮海(あおみや かい)と怜は、昔からの親友だ。 能天気そうに見えてどこか思慮深いところもあり、情に厚い。 傍にいるとなぜか周りを温かい気分にしてくれる奴で、朝はよくこうして一緒に登校する。 怜のたった一人の友人といえるだろう。 そうして海ととりとめのない話をしながら学校へと向かう。 パンッ 「あ…?」 「どーした?怜」 「…今、何か割れる音したか?」 「は―?いや、聞こえなかったけど。空耳じゃねえ?」 「…そっか。」 いや、確かに聞こえた。何かが砕ける音が。その音はまるで俺の中にある何かが砕けたかのように鮮明な音だった… 学校へ着くと始業5分前だった。海とのんびり話しすぎたようだ。少し急いで自分の教室へと向かう。 「んじゃまたな。怜。」 「おう。」 海は違うクラスなので自分のクラスへと走って行った。自分も席に着き、始業の合図が鳴る。 ―――今日もまた、いつも通りの一日が始まる。怜はそう思っていた。
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