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渡君は必ず何かを知っている。
でもそれを私達に話そうとしない。
それはあいつとの約束、あいつの望みって言ってたけど・・・
「奏はどう思う?」
私は・・・
渡君にも事情があると思う。
けど私達にプレゼントをくれるような仲だった人のことを忘れたままなんて絶対嫌!
「必ず思い出す・・・自分の為にも、その人の為にも」
「そうだね・・・じゃあもう一回振り返ってみる?」
「そうしよっか!少しだけお腹空いたから軽食作って行くね」
「わかった。部屋で待ってる」
私はキッチンへ、刹那は部屋へと向かった。
キッチンで軽食を作ろうとしてる時、不意に思い出したことがある。
あれは学園対抗戦のための特訓期間の話。
私と刹那、斑鳩君に花蓮の4人は誰かに魔法を教わった。
結局誰かわからなかったけど、その人の発想は摩訶不思議だった。
「魔法は魔法で打ち消すか防ぐしか対処出来ない。つまり魔力無しの人間には打ち消すことも防ぐことも出来ない。そこで生み出したのが“壊す”だ」
こんな発言をしていたのを覚えてる。
だけどそれを言ったのは誰なのかはまったくわからない。
どうして?
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