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「あんたが死ねばよかった!」 「ほんと、醜いわねぇ」 「あんたがいなければ、姉さんは生きてたのに」 「こっちに近寄らないで」 「気持ち悪い」 全部が全部、私に向かって言ってること。 私は生まれつき右目は赤、髪色は赤茶で、周りからは気味悪がられてた。 私は異常だと。 言葉では言わない人でも目が言っている。 私は人より観察力とか聴力、視力、記憶力など、様々な能力が優れている。 だから嫌でも自分が要らないと言うことは幼い頃から察し、知っていた。 母親は私が生まれた時、体が弱くて死んだ。 父親は仕事中、事故で死んだらしい。 両親はいなくとも、私と同じ境遇の子達がいる 黒龍 という族に入って、寂しさを紛らわした。 黒龍 のみんなは誰しも私みたいな人ばかりで、闇を抱え込んでる人がほとんどだった。 そのうち、今までの自分を殺すように手を紅く染めていき、ついに 黒龍 は全国No.1の族になった。 その時私は部下で、ただ喧嘩ができれば良かった。 幹部になれた時だって変わらなかった。 なのに… 次期総長に私が選ばれた。 それから私は頑張った。 総長として、視野を広げた。 みんなを守れるように、今までとは違う、手をなるべく染めないような方法で、本当に頑張った。 ただ、私は黒龍のみんなが大好きで、みんなの為の総長になろうとしただけなのに、事件は起きたんだ……
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