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『あのとき』。
桜花には、それが何を指しているのか一瞬でわかった。
中学3年で、桜花がまだ依散を凄い好きだった時。
学校の中で、不細工でぽっちゃりを越えて小太りだった桜花は孤立していた。
しかし、依散や他数人の支えあってやっと保っていた桜花の心は……依散によって粉々に、そして止めすら刺された。
『目障りだから、もう視界に入るな』
ある日彼にいきなり言われた一言。
文字通り桜花の鼓動が、時間が止まった。
「……ぇ」
小さく疑問を発した時には、既に目の前には誰も居なかった。
どういうことなのかわからないまま、桜花は当時大好きだった依散に嫌われたのだ。
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