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「よかった……」
ホッとした表情で、依散は安堵の溜息をもらす。
「あ、そうだ……よかったらアドレス教えて?」
依散がスマートホンを取り出す。
「……」
〈なんて……『喉元過ぎれば熱さを忘れる』がお似合いな男〉
一瞬桜花は絶句するが、すぐに正気に戻り自分のスマホを取り出した。
「いいよっ!」
そして桜花と依散はアドレスを交換した。
「今夜ご飯の買い物してるからさぁ……またあとでね?」
桜花は小首を傾げ上目遣いに言う。
「あぁ……じゃあな」
依散は手を振った。
〈しまった……つい癖で……〉
バイト先であるメイドカフェでしているような態度を、元同級生にしてしまったことに桜花はレジに向かいながら後悔した。
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