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「暇だ~」
私は、三段ベッドの上に寝転がっていた。
今までよりずっと天井が近いけど、部屋の全体が見下ろせる。
高いところは好きだから、悪くはない。
盟数は、運び入れた自分の机の上で、ノートパソコンのキーボードを打っている。その速さといったら、指の動きを目で追うのが大変なくらい。
すごいなぁ。
瑠離華は……
あっ、ベッドの上で本を読んでいる。漫画かなぁ、と思ったらすっごく分厚い本で、字がすっごく細かい!
こっちもすごいなぁ。
「ねぇ、盟数。お母さんたちから、なんか聞いてない?」
「……何を?」
「勿論、Historiaのことに決まってるじゃん。私たち、Historiaになったんでしょ。なのになんにもやってないし。」
「指示ならそのうち、お母さんたちからくるでしょう?」
興味のなさそうな声だ。その間も盟数の指は、軽やかに動いている。ぜんぜんスピードが落ちてない。頭の中、どうなってるんだろ?
「ああ~、やっぱり暇!よし。お母さんに直接聞きにいこうっと。」
天井に頭をぶつけないように起き上がって、私はベッドから飛び降りた。
音も立てずに、畳の上に着地する。
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