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お母さんは、レストランが定休日だから、畳の上でゴロゴロしていた。
美人なのにだらしないなぁ。
「ちょっとぉ、お母さん。もう少し、しゃきっとしてよ。恥ずかしいじゃん。」
さっきまで、私もベッドで寝転がっていたのはナイショだ。
「おぉっ、羅補じゃない。盟数ちゃんと瑠璃華ちゃんも。どうしたの?」
お母さんは仰向けに寝たまま、顔を逆さまにこちらにむける。
本当だらしない。立ったらどうなんだろ……。
「『どうしたの?』じゃないよ。すっごくヒマ。なんかすることないの?」
「うーん、あぁそうだ。これ、咲由菜がわたしてって……」
お母さんは、ポケットから2つに折ったメモ用紙を取り出した。そのまま渡される。
「なにこれ?」
私はメモを開いて、書いてあることを読み上げる。
「さっそくだけど、1991年に行く。利仁亜さんに会ってきなさい。……って初指令じゃん!」
「あぁ。historiaを始めるには、利仁亜さんに許可をもらわなきゃね。」
「許可?それに利仁亜って?」
「こらこら、利仁亜さんを呼び捨てにしないの。烈利仁亜さんは私たちより前のhistoriaなの。それと、historiaは利仁亜さんに許可をもらわないと出来ないことになってるの。」
へぇー、利仁亜さんってどんな人なんだろ。
「……昔への行き方、まだ教えてないですよ。来一花。」
わぁ! いつの間にそこにいたの!?
「あぁ、そうだったわねぇ。……そうだ。説明するの下手だから和華やってよ!」
そぅそぅ、お母さん説明がすっごく下手なんだよねー。でも、自覚してたのか。
で、昔への行き方はどうやるのかな?
「まずは左から盟数ちゃん、羅補ちゃん、瑠璃華の順番にならんでね。そしたら、盟数ちゃんと羅補ちゃん、羅補ちゃんと瑠璃華でこんなかんじに。」
瑠璃華のお母さんは教えるの上手だ。すごくわかりやすく説明してくれる。
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