プロローグ

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「あなたたち、Historia(ヒストリア)って知ってる?」 へ?いきなり、何? お母さんの質問に、思わず私たちは首を傾げた。 この六人を集めて、話題が、Historiaのこと? 「そりゃあ、知ってるけど……」 「は、はい……」 「私も知ってますよ?」 二人も少し混乱しながら答える。すると、盟数が― 「Historiaは、本来英語で、歴史上の人物という意味ですが、それとは少し違っていて歴史を巡り、その時代の悪を撃退していくんですよね。新聞やインターネットで話題になってることがあるようですが…。」 いや、盟数は全く混乱してなかったね。 「そう。さすが盟数ちゃんね。でも、羅補も知ってたのね。羅補は、新聞とかなんてほとんど読まないから、知らないかと思ってたわ。」 「わ、私だって新聞くらい読むってば!」 テレビ欄をね。 「ごめん、ごめん。」 お母さんは、そこで話をいったん区切って、二人のお母さんと視線を交わした。 ん?なんか意味深だ。 「三人とも、気持ちを落ち着けて聞いてほしいんだけど……」 お母さんの珍しく真面目な顔に、なんだかドキドキしてきた。 「実はね。」 「うん。」 私たちは体をかたくする。 そして、お母さんが発した言葉は―
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