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「そりゃあ、明日から、あなたたち三人がHistoriaだからよ 。」
……アシタカラ アナタタチサンニンガ ヒストリア?
言葉の意味を理解するのに、きっちり10秒かかってしまった。
「えええっ!ちょっとまってよ!何言い出すの!?」
私はちゃぶ台に身を乗り出す。
ちらりと両隣を見ると、さすがに二人も驚いた顔をしていた。
「子供が十三歳になったら、Historiaを継いでもらうように言われたのよ。」
「そんなのいきなり言われたって…。それに、まだ私たち十二歳だし。」
「今年で十三歳になるでしょ。」
そんな適当でいいの…?
「それと、私達は晴れて引退よ。」
「いや、引退とかって問題じゃなくて……あぁ、もう!頭が大混乱だよっ!」
「論の展開が無茶苦茶ですね。それに、私と瑠璃華は可能だとしても…」
盟数が、ちらっと私の方を見た。
瑠璃華も。
どういう意味よ?
私にはHistoriaは無理だってことぉ?
そう言おうとして、別にHistoriaなんか、つとまらない方がいいことに気づいて、出かかった言葉を口の中で押しとどめる、が…
「それは問題ないわ。」
お母さんはやけに自信ありげだ。
「羅補。あなた、ビルの外壁を、ロープを使わずに、何階まで登れる?」
「えっ、ビル?え~と…十。ううん、今なら十三階はいけるかも。」
私の答えに、私のお母さん以外の皆が目を丸くしている。
何か、変なことを言っただろうか?
「…来一花(らいか)。娘に何てこと、教えているの?」
「これはだめよ…」
私のお母さんに半ばあきれたように、ため息をついている。
「だって必要かと思って。戦う時に。」
「確かにそうかもしれないけど…」
「教えかたとかが…」
「ちょっとまって!」
二人は納得しかけたけど、私はそうはいかない。
「もしかして、私って、知らないうちに、Historiaになるための訓練とかされてたの?」
確かに、思い返してみれば…
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