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「さて、いきなりだけど、キミ達はアラガミってどんな存在だと思う?」
本当にいきなりだなぁオイ。
「人類の敵とかですか?」
「何でも食べる」
アネットとフェデリコ(思い出した)さんも自分の考えを出す。
うん、シンプルに言っていいのかな。
「狩崎くん、キミは?」
「ゴキブリ以上の生命力持った食欲の塊……ってとこですかねー」
今日戦った感想をシンプルに答えてみると、榊博士はウンウンと頷く。
「宜しい。確かに、それらの認識は間違いじゃない。寧ろ、目の前の事象を素直に捉えられていると言えるだろうね」
そこで1つ間を置くと、博士は部屋の中をスタスタと歩き始める。
「じゃあ、アラガミはどうやって生まれてきたか……なんて考えたことはあるかい?」
あぁ、授業で習ったかも。
忘れたけど。
「ある日南極圏で見つかったアラガミ……もとい、オラクル細胞は、爆発的に増殖し、形を変えていった……ですか?」
「その通りだよフェデリコくん。さて、進化の過程をすっとばして爆発的に増殖した細胞が結合した存在、『アラガミ』だけど、実は、彼らには脳や脊椎、心臓などはないんだよ」
「単細胞が集まった"群体"ですか?」
「その通り」
他の2人が優秀過ぎて泣ける!
理解はできるけど付いてけない。
「私達人間は、頭や胸を吹き飛ばせば死ぬ。でも、アラガミは首を落としたとしても直ぐは死なない。なぜなら、厳密に言うと、その"首"は"首の形に結合した単細胞群"だからだね」
そう言われて、昼間のことを思い出した。
あれで死ななかったのはそういうことなんだ~へぇ~。
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