第一部隊

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約一時間後、私とリーダーとコウタさんの三人は、愚者の空母と呼ばれるエリアを目前に作戦会議していた。 「今回の任務は、ミッションコード『猿神の遠出』その名の通り、相手にするのはコンゴウ、数は一体だ」 座礁した巨大な空母を前に、リーダーのシンクさんが、今回の任務の説明を始める。 この空母、確か略奪集団の根城だったんだよね~。 そんで、アラガミに喰い散らかされたって、授業で言ってたかな。 「本来、コンゴウの現れる場所って言えば廃寺だったんだが、最近拡散して、その上単体で見かける事が多いんだが、一体どうしたんだろうなぁ?」 「普通、コンゴウって群れるもんね。仲間割れでもしちゃったのかな?」 コウタさんの発言に密かに妄想を始めるあたし。 アラガミの兄弟喧嘩……うん、ごめん、喰い合ってる図しか思い浮かばん。 「ま、考えんのは俺達の仕事じゃないし、ひとまずは仕事をするとしようか」 ミッションを始めようとすると、空母の中心の穴から何かが駆け上がって出たのが見えた。 あれがコンゴウ?……デカい猿じゃん! 「いいか、今回の戦闘の説明は3つ。コンゴウの攻撃は直線的なのが主だし、隙も多い。兎に角後ろに回って捕食や大技を喰らわすこと。2つ目、奴らは耳が良いし、空母は遮蔽物が無い、気付かれないようになんて考えるな。3つ目は、今回レイにはバースト化、及びリンクバーストを体得して貰う。やり方はわかるか?」 「大丈夫です。やってみます!」 スッゴいなー、戦う時となると、本当にリーダーの顔なんだ! ちょっと格好いいって思っちゃったな~。 っと、いかんいかん、下手したら死ぬよ、気張れあたし! そして私達は、それまで居た高台から足を踏み出し、命を懸けた戦場へと向かって行った。
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