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時は30分ほど流れ――――
場所は純白の部屋、医務室。
「怪我も無いし、疲労もなさそうね。血液、心拍、共に異常無し。うん、問題ないわ。それじゃ、戻っていいわよ」
「有難うございました~」
医務室の先生に挨拶をして出るあたし、狩崎レイ。
シンクさんに、初めてのバースト状態で異常は無いかチェックしろと言われて、半強制的に連れて来られた。
「あ、レイさん!」
「あぁ、カノンさん。カノンさんも身体検査ですかぁ?」
殺風景な廊下で出会ったのは、桃色髪が可愛いカノンさん。
この人も敬語だなぁ。
「はい。私って結構どんくさくて、怪我ばかりして、みんなに迷惑ばかりかけて……シュンくんには動くなって言われるし、カレルくんにも邪魔だって……うぅ」
次々に自傷的なセリフを言いながらどんどん視線を下げていくカノンさん……。
うわぁ、ネガティブ……。
「あたしもどんくさいんですよね……リンドウさんにヒヤヒヤさせるなって言われたし……。お互い頑張りましょう!」
元気付けの意味で手を握ると、カノンさんはその視線をばっとあげる。
「そうですね。うん、頑張って克服しよう!」
「……?」
何を?と思ったけど、下手に口だしてまたネガティブになると困るなぁ~。
あ、ついでに聞こう。
「あ、あと、1つ聞きたいんですが」
「ほへ?」
グハッ、いちいち可愛いなこの人。
年上なのに、年下の後輩に見えてきたよ(おい)!
「カノンさん、周りが年下でも敬語ですよね?何でかなぁ~って……あれ」
な、なぜにまたネガティブオーラを発して居られるのですかカノンさん!!?
何か地雷踏んだかなぁ?
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