1人が本棚に入れています
本棚に追加
そうしてやって来たのは、支部の対アラガミ防壁の外側。
防衛班の主な仕事は、支部の巡回、防衛、そして要人、物資等の護衛となるらしい。
「さて、今日の担当はB3からE10までだ。とっとと終わらすぜ」
タツミさん、早く終わらせて、ヒバリさんと話したいんだろうなぁ~。
そう思いながら、壁沿いに歩き出したみんなの最後尾に付く。
「ただ歩くだけなんですか?」
「指令があれば、その場所で戦うんですけど。基本的にはアラガミ防壁に不具合が無いか、アラガミが居ないかを巡回しながら確認するんです」
私の質問には、カノンちゃんが答えてくれる。
討伐班とは大分違うなぁ~。
「報告書では、第四ハイブの防壁の新規偏食因子投与が遅れているらしいな」
ブレンダンさんが、何かの紙を読みながら呟くと、タツミさんもあぁ、と頷く。
「暫くは巡回ばかりになるなぁ。っと~、にしても、討伐班は大変だな。最近は接触禁忌種も相手すんだろ?今回も特殊指定かぁ」
「私、あんまり強い相手だと、任務に同行させてもらえないんですよね~……。そりゃあ死にたくないですけど、まだ信用無いかと思うと……」
「信用が無いわけじゃ無いと思うぜ。あそこのリーダーが良く言ってんのは、『自分の実力を理解しろ』ってな。生き残る為に無茶すんなって事だ。厳しいようだが、すっげぇ仲間思いなんだよ」
うん、わかる気がする。
今日も、私がテンパってるのを看破してたし、よく人のことを見てる、その上でちゃんと気遣う、凄い人だよ。
「あれ見て下さい!!」
そんな、普通の会話をしてた私に、カノンちゃんの声と共に現実が押し寄せて来た。
「おいおい、こりゃあ忙しくなるなぁ」
苦笑いのタツミさんの横で、ブレンダンさんが双眼鏡を覗く。
「ザイゴートとその堕天。数は……ザッと見て40」
多いよ!!!
初めての大群戦だよー!
最初のコメントを投稿しよう!