防衛班

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「ほいさ~っ!!」 これで6体目のザイゴートを叩き割ると、血がキモチワルイくらいに付いたイーブルワンを振って血を払う。 最初は混乱していたザイゴートも、今は落ち着いてちょこまか動くから厄介なのよね~。 「はーい、そこ!」 動きを止めて、ガスを吹き出そうとしたザイゴート目掛けて飛び上がる作業~。 でも、そんな私に向かって来たのは、予想外の噴射だった! 「うあっ!あつっ――!」 勢い良く噴射される炎が、私の肌を炙り、ザイゴートを丸焼きにし、落とす。 しかも、背後から。 んー、今のは見覚えがあったよ? って言うか、私も演習で使ったことがある――放射バレット。 「あ!邪魔してゴメンナサイ、カノンちゃん!」 ブラスト型は範囲広いからなぁ~と、直ぐ背後に居たカノンちゃんにペコリと頭を下げる。 また慌てて謝罪するんだろうなぁと、予想及び若干の期待を混ぜて頭を上げると―――― 「邪魔だよクズ」 「は、い?」 予想とは違う――いや、違いすぎる反応に、私は呆然と立ち尽くした(危ない危ない)。 いつものカノンちゃんとは違う、睨むような目つき……あれ、怒らせ、え? 「あぁ、戦闘中はなるべくカノンには近付かない方がいいぜ……」 「ハイ?」 スタスタと別の獲物を狙いに行くカノンちゃんと入れ替わりに来たタツミさんの服にも、若干の焼け焦げた跡が……。 「カノンの奴、神機との適合率が高いのが理由なのか何なのか、戦闘中に人格変わっちまうんだよ。味方が居ようとぶっ放す、その誤射率今や全世界の支部でもNo.1!つって……まぁ、気を付けろよ。にしても――――」 疲れ切った様子のタツミさんが見守る中で、最後の数匹をカノンちゃんが撃ち落とし、すかさずブレンダンさんがトドメを刺す、見事な連携プレーを披露していた。 「アイツと戦場で上手くやれるのって、ブレ公くらいなもんだ」 「あぁ……」 色んな意味で体力を削った掃討戦は、2人の溜め息で終わりを告げた……。
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