防衛班

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「お、戻ったか第一部隊」 第二部隊と一緒にホールに戻ると、そこには第一部隊の全員が――流石に無傷ではないみたいだけど――帰還してた! かなり長丁場みたいだったけど、良かったぁ~。 そんなシンクさんは、真っ先にタツミさんに歩み寄った。 「お、タツミさん達。なんとかコア入手出来たぜ……」 「流石だな。ま、無事で何よりだ」 「みんな、お疲れ様ーーーー!!」 ここで皆さんに声を掛けると、サクヤさんに「レイちゃんも大丈夫だった?」と、逆に心配される始末……。 ブレンダンさんに良くやっていたとお墨付きを貰ったのは嬉しいけど、やっぱり私は心配される立場なんだと、ちょっと複雑だな……。 「スミマセン、私、早くみんなと一緒に戦えるように頑張るよ!」 置いてきぼりは嫌だしねッ!って意気込む私。 でも、リーダーとソーマさんには焦るなって言われちゃった。 「意気込むのはいいが、無茶だけはするなよ……」 「そうだな。幸い、そこまで切羽詰まった環境ってわけじゃないし、お前は俺達に合わせず、お前のペースで強くなってくれればいいんだ」 「うぅむ…………」 2人に諭されて、なんだか歯痒いようなモノを感じた私。 でも、無茶して死にたくは無いとも思うんだよなぁ……。 「取り敢えず、俺は博士に報告してくっから、他は指令が出るまでは休憩を取ってくれ」 そう解散宣言すると、みんな疲れていたのか、マイペースな足取りで昇降機に向かって行った。 疲れてもいない私は、まだ仕事があると言う防衛班に付き添っていくことにする。 タツミさんに、まだ手伝いたいと言うと、「休憩とか大丈夫か?」って、また心配された……。 「無茶はしませんよ~。皆さんと一緒に居たのに、私だけ休憩なんて取れないし。それと、ブレンダンさんにお願いがあるんですけど……」 「ん?なんだ?」 無理はしない、私のペースで。 「私に、戦い方を教えて下さい!」 でも、絶対に強くなるよ! 心配されるのが当たり前なんて嫌だもんね! よーし、頑張る!
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