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「彼等の遺伝子配列は変化していないんだ。そう、1つとしてね!!」
数日ぶりにサカキ博士の講義が行われ、私も受けてる最中。
はぁ、今日は疲れたなぁ~……タツミさんも今日は多いって言ってたし、夕方には討伐任務にも出たし。
正直、講義も頭に入んないよ~。
「彼等はただ、食べることで賢くなってるだけなんだ!どう言う骨格に集まれば早く走れるのか、どうすれば飛べるのか、それこそ、スポンジが水を吸うように知識を取り込んで、僅か20年足らずで今の形態に至ったんだ!」
サカキ博士の熱い語りも、フェデリコさんの質問も、私には風景にしか映らない……。
あぁ、明日もまた戦場か……また頑張らなくちゃなぁ……。
あぁ、まぶたが……おも……
『アラガミがキミくらい勉強嫌いだと良かったんだけどねぇ』
「ふえ?……ばっ!ご、ごめんなさ!!」
突然、目の前にズイッと顔を近付けるサカキさんに、私は強制的に意識をハッキリさせられる!
近いんだよこの眼鏡っ←謂われなき中傷。
「レイちゃん、今日頑張ってましたもんね。大丈夫?」
アネットさんに気遣われて、ほっぺをパン!と叩いて、大丈夫です!と応える。
しっかりしろあたし!
「それじゃあ、続きだけどね。彼等――アラガミは食べることで、とんでもない速度でとても高度な知識を得ているんだ。そして彼等の知識はついに、人と言うアラガミを生み出したのさ!」
人と言うアラガミ……?
「まぁ、そのアラガミについてはまた今度。みんな大変だったみたいだし、部屋に戻ってゆっくり休んでくれ」
サカキ博士は、まだ喋り足りなさそうだったけど、今日の多忙さを察してくれたのか、解散を命じた。
なんか、私のせいみたいで申し訳ない……。
「あぁ、レイくんは、少し残ってくれ、話があるんだ」
………………あれ?
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