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「ようし、時間通りに揃ったな」
「正確には、三十秒遅れてリンドウさんが来ましたけどね~」
今は旧市街地の側、対アラガミ装甲が背後に張り巡らされたそのスペースは、よく作戦前の集会所として使われるらしい。
そして今回が、リンドウさんとの記念すべき初任務ですぎゃー。
「ま、細かい事は気にするな。しかし、大分表情が軟らかくなったな。やっぱり女の子は女の子同士って奴か」
「そうですねー。まだ不安はありますけど、ひとまずは元気一杯です!」
「そうか、それは良かった」
ふと、リンドウさんの神機を見ると、他の神機とは明らかに違った。
機械的じゃないと言うか……まるで生きてるかのような、そしてそれ自身がリンドウさんのような気がして……。
「さて、ブリーフィングを始めるぞ」
しかしまぁ、今は気にしないでおこう。
「戦う前に色々と社交辞令とやらがあるらしい……が、まぁ面倒なので省略する。命令は3つ、死ぬな、死にそうになったら逃げろ、そんで隠れろ、運が良ければ、不意を付いてぶっ殺せ。……あ、これじゃ4つか?」
具体的な命令は無しかい。
まぁ、リンドウさんらしいけど。
「私、どんくさいんですけど、隠れらんなかったらどうしましょう?」
いやマジ自信ないからね。
自信あるってったら、逃げ足くらいかな?私の座右の銘、逃げるが勝ち!
「そう言う時は、やっぱアレだ」
そう言って、リンドウさんは過去に思いを馳せるように、空を見上げた。
「『生きる事から逃げるな』いいか、これは最重要命令だ。絶対に諦めるな。生きてりゃ、後は万事どうにでもなる。」
「了解しました!私は死なないようにガンバりまーす」
「戦わないと終わんねーがな」
「分かってますよ~」
なんか、上手い具合に緊張が解かれた。
リンドウさんは凄い人だなぁ、って改めて感じたね。
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