83人が本棚に入れています
本棚に追加
『ようこそ人類最後の砦へ!』
自分の居る空間から少し高い場所 にガラスを隔てて対面する眼鏡で いかにも変人臭漂う人物の声が、 スピーカーと言う伝達機械を通し て耳に響く。
そして視線を下ろすと、まんまる な殺風景な空間が広がり、その円 の中心に、まるで口を開けたよう な機械が待ち構えていた。
はぁ、仕方ないとは言え、認めた くない現実から目を背けたくなるよねぇ……。
『ここに呼ばれた理由やら何やら は、雨宮ツバキと言う女性から殆 ど聞いただろうから、私は何も言 わないでおこう』
ただ面倒なだけでしょ狐親父~。 雨宮ツバキって言う人は、ここに 来た直後に説明をしてくれた…… 確か、教練担当者とか言ってたか なあ? 『死にたくなければ私の命令には 全てYESで答えろ』とか理不尽な こと言う巨乳と記憶してるよ。
『さぁ、とりあえずはその"神 機"を掴むだけでいい』
適合試験……神機に適合する可能 性の下で呼ばれた私が、本当に適 合するのかを実践する試験らし い。 正直、適合したくはないなぁ~、 なんて思っている。
とっとと終わらせちゃお~っと、 私はその神機?らしいデカい剣の 絵を掴んだ。
「掴むだけ?」
2~3秒程の沈黙に、そんなこと を思ったけれど、んなわけなかっ た。
突然、手の上に口のように開いた 部分が、プレスの如く落っこちて きましたー。
「い゙っ!!?」
いきなりの激痛。 まるで手首の周りに注射器の針が いっぺんに食い込んだような痛 覚。 それが更にえぐるような一層気持 ち悪いものに変わって一秒程度 で、プレス機は私の腕を解放し た。
「う……ひゃあ~」
見ると、私の腕に真っ赤なリング が付いており、途端に神機から伸 びる触手と結合する。
持ち上げてみると、凄く重さは感 じるのに軽々と持ち上がる! あぁでも腕が気持ち悪くて直ぐ下 に下ろした。
『おめでとう!これでキミは晴れ てゴッドイーターの仲間入りだ!』
むっちゃ興奮する眼鏡に、私は不 快を露わにするのでしたー。
最初のコメントを投稿しよう!