83人が本棚に入れています
本棚に追加
目が覚めると、本当に違う部屋に来ていた。
どうやって運ばれたのか……いや、考えない方がいいかも。
部屋の造りは、一間にベッド、ソファーと、画面の付いたデッカいパソコンがあるだけ。
恐らく母親から届いたと思われる荷物が置いてあったから覗いたんだけど、服は見事に黒松学園中等部制服しかないんだけど。
リョーコさん(母親)、私服は?
しっかし、何もない部屋じゃ暇も潰せないなぁ。
ってことで、直ぐに部屋を出る。
「わ!」
「うおっと」
出た瞬間に男の人の胸に飛び込んでしまった……誰得だこれ。
「す、すみませっ!」
直ぐ離れると、鬱陶しいんじゃないかと思う程の黒髪が視界に入った。
「こりゃまた元気だな。呼びに来たとこだったんだ、ちょうど良かった」
ちょっと目を左に向けると、彼の右腕がハッキリ見える。
黒い羽の付いた、異形の腕……。
「俺は支部長直属の遊撃隊……まぁ、今は1人だけの部隊なんだがな、雨宮リンドウってんだ」
「狩崎レイです。ん?雨宮?」
ワンテンポ遅れて、聞いたことがあるファミリーネームだと気付いた。
「あぁ、教練担当者の雨宮ツバキは、俺の姉だ」
すごい、兄弟そろって神機使いなんだぁ。
「んで、今から他の奴らにお前 を紹介するんでな、エントランスに集まってる、行くぞ」
「あー、はいー」
仕事仲間かぁ。
そう言えば、あの人はまだここに居るんだろうか?
最初のコメントを投稿しよう!