戦闘鍛錬と小競り合いと心の靄

13/53
前へ
/366ページ
次へ
   生徒たちの自己紹介が一通り終わった後にミロスも軽くおのろけ気味に自己紹介を済ませると、続いて授業は座学に移った。誰が言ったのではなく、ミロスが自分たちを見渡しやすいように生徒たちは各々の座り方で床に腰を下ろしている。 「それじゃあ~、早速だけどみんなに質問だよ~」  何がそんなに楽しいのか、ウキウキワクワクといった子どもがするような笑顔を顔一杯に咲かせて、ミロスは第1の質問を生徒たちに投げかけた。 「だいいちも~ん。  わたしたちの生活に密着してると言っても過言じゃない~、酸素や二酸化炭素みたいに空気中の大部分を占める気体はなぁ~んだ?」 「「「「「はいっ!!」」」」」  一斉に手が挙げられ、ほんのわずかにミロスは気圧されてしまった。まあ、なんにせよ、元気なのはいいことだと思う。 「それじゃあ、カノンちゃん」 「龍気(ドラン)じゃないんですか?」 「そうだよ~、だいせいか~い」  それじゃあ続いて第2も~ん。と誰も求めていないのにクイズ番組のようにミロスは進行していく。 「その龍気だけど~、具体的にはどんなことに使われるのかな~? はい分かる人は挙手して~」    シ~~~~ン……     再度静寂が包んだ。まるで閑古鳥が鳴いているかのような。別の言い方をすれば、門前雀羅を張っているみたいな。いや、ミロスの前には女子生徒たちがいるのだから矛盾しているように感じるかもしれないが。
/366ページ

最初のコメントを投稿しよう!

469人が本棚に入れています
本棚に追加