戦闘鍛錬と小競り合いと心の靄

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「いやその……、学校の備品というか建物を壊して、何の懲罰もないのかな~と……」 「あ~、そういうこと~」  ミロスはポンッと柏手を1つ打った。 「それなら心配いらないよ~。リュミちゃんは何も壊してないから安心して~」 「いや、安心してと言われましても……」  この状況でどう安心しろと仰るのでしょうかこの龍人様は……!?  びっくりなほどに広がった直方体の展開図のような正方形と長方形の集合体。リュミエールたちは今、そのうちの1つ、集合体の中心部にいる構図となる。 「大丈夫だから~、ちょっと退いてくれるかな~」  すすっと道を譲ると、ミロスは例のスイッチへと近づいた。地面に倒れているため、彼女でも届くというものだ。それも当然だが。 「ミロス先生? いったい何をするつもりなんですか?」 「ん~? 百聞は一見にしかずってね~。はい、ポチッと~」  スイッチを押すなりミロスが跳び退くと、さっきと同じく耳障りなほど機械じみた音を立てながら展開図が元に戻っていく。そうして直方体が完成。  するとどうだろう。さっきまでの驚きや戸惑いがまるでなかったかのように『おおおおおぉぉぉぉぉ~~~~~!!』とリュミエールやノイルを含めた女子生徒たちからどよめきのような歓声が上がった。 「分かったところで~、リュミちゃんもう一度おねが~い」  再び建物が展開し、授業は本題である戦闘鍛錬へと移行した。
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