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空気は張り詰めていた。
夕暮れ時の風は、冷たい。
アスカとコアリスの視界には、入れ替わり立ち代わり往復する標的が映る。
「殺しはダメだよ?」
「分かってるよ」
コアリスが、式紙を何匹も作る。隊員達も地下への入口を固めた。アスカは、尚も標的の位置を探り、種機で指示を出す。
一斉に空気が動いた。
アスカも隊員に混じり、種術の交戦へと走り込む。
敵が、火器を片手に持ってアスカを狙う。
銃声が鳴る度にコアリスの式紙が盾の役割を果たしてくれた。
地下施設に滑り込む。地下は、種術で整備されている。空気に濁りもなく、臭いもない。不自然なほど清潔感がある。
空間種術は、現在も進化を遂げている。
アスカが子供の頃よよりもずっと安定している。
壁にも色が付いた。天井も場所によって高くなっている。
昔は、雨の降る度、溢れていた水路も上手く利用して作られた空間は、地上の生活には害がない。
それでも悪党の巣窟に替わりはなく、数年の攻防は続いていた。
地下に突入したのは、アスカを含めて、警隊の二十名。カーズの住んで居る家を取り囲む。カーズは地下図書館を塒にしていたようだ。男達が、館内から顔を出す。
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