12人が本棚に入れています
本棚に追加
「囚人が、神官の称号などなにに使うというんだ」
「あんた、隊長さん?」
囚人が落ち着き払った様子で、ロザリオを手に持ち替える。
「そうだが。なんだ?」
「俺の罪状、知ってる?」
囚人は、突撃隊長に問い掛けた。
「そんなことに答えてなにになる!」
「おいおい。そんなことも知らねえ奴にこいつの事は話せねえな」
囚人が、鼻で笑った。
「はい!」
後ろで待機していたアスカは、囚人が挑発していると勘づいて、手を挙げた。
「嬢ちゃんは知ってるようだな?」
アスカを小馬鹿にするように囚人は腕を組んだ。
「前科七犯。罪状無差別殺人及び自殺幇助。今回、終身刑を言い渡され、監獄入りとなる」
アスカは、慎重に回答する。
「若いのに偉いな」
「それで、そのロザリオ。私の知り合いにも同じものを持った人が居ました。貴方はその人を知っていますか?」
「大陸に気の合う友人が居た。そいつが自殺したときに預かったもんだな」
「名前は……!」
アスカは、踏み出していた。
「カプリとか言った。自殺するような奴じゃあ無かったのにな。残念だ」
囚人が意味深な言葉を吐いた。
「そのロザリオ、本当にカプリさんのものなんですか?」
最初のコメントを投稿しよう!