Memory1

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「俺だって驚いたよ。嬢ちゃん。奴の知り合いか?」 「知り合いもなにも、カプリさんは私たちの……」  アスカの言葉を遮ったのはコアリスの手であった。  アスカは口を塞がれて、視線だけをコアリスに向ける。 「囚人一○五。話は長くなりそうか?」  突撃隊長が、投げやりに聞いた。無視されたことが気に食わなかったのだろう。 「長くはならない。だが、俺はさっさと監獄に行きたいね」  ロザリオを片手に囚人は笑う。 「隊長。長話は時間の無駄です。早く連行しましょう」  コアリスが、言った。 「コアリス、どうして?」  アスカはコアリスの手が離れてから小声で尋ねた。 「カプリ隊員のことは殆ど知られていないよ。隊長への説明は俺がしておくから。ここは護送を優先させよう?」  コアリスが、囚人を睨みながら言う。  アスカは、頷くしかない。  カプリは、アスカの同僚だ。出張で島を出て行方不明になった。 「抵抗はしない。ただ、ロザリオは俺のものだ」  囚人は、自棄に大人しく地下街を出た。
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