Memory1

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「囚人の話、どう思う?」 「どうって?」 「嘘かホントか」  コアリスの問いにアスカは即答できずに居た。 「俺もまだ、信じられないんだ。カプリが自殺だなんて」  アスカに歩調を合わせたコアリスが、呟いた。 「私だって、信じたくないよ。でも、もう少し話さないとわからない」 「曖昧だよな。囚人もカプリが自殺したと認めていないようだった」 「良かった。コアリスにもそう思えたんだね」 「嘘とは言い切れないから。それにしても撤廃されたロザリオが、今頃見付かるのも不自然だな」 「偶然にしては出来過ぎてるね」  コアリスの言うことにはアスカも賛成であった。  逆さ十字架のロザリオは、神官長が代わって三年目に撤廃された。今では製造は愚かその現物さえ入手不可能と言われていた。それが、カーズの手元にあった。それが何を意味するのかアスカ達は知らない。 「大方、闇市で手に入れたんだと思うよ。大層な値段だったろうな」  護送車が、地上で待っていた。  囚人一○五は、黙って護送車に乗って行った。 「あのロザリオ、副隊長も大事にしていたよね」  アスカは、言った。 「調べていて行方不明になった。そういいたいのか?」 「うん。なんとか譲ってもらえないかな?」
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