Memory1

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「看守が取り上げるだろう」  コアリスが、言う。 「その後は保管庫。囚人が死んだら処分」 「奴は終身刑だから処分だな」 「そんな……」  アスカは、コアリスを見上げる。 「内の隊員の形見だと迫ってみるか?」  悩む様にコアリスが答えた。  アスカは、消えた護送車の方へ視線を移した。 「長官に話をして、管理人に言ってもらおう。私達じゃ立場的に無理だよ」 「そうだよな。盗みに入るのも難しいし」 「それは、ダメだよ」 「分かってる。あ、そうだ。あるある。昔、副隊長がやった方法」  コアリスが、何かを思い出したように言った。 「え?」  アスカは、コアリスの言葉に瞬く。 「覚えてないのも無理ないよ。アスカは学校だったから」 「何時の話?」 「変な捜し物の事件があったんだ。その時も囚人の持ち物が絡んでいて。副隊長、証拠の物件だからって回収したんだ」 「そんなことがあったんだ」 「持ち出し資料なら制作できる。警備が終わったら作ってみようか?」  コアリスが、懐中時計を眺めた。  アスカもそれを覗く。  時刻は夕方五時を過ぎていた。
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