Memory2

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 ファムが死んだら集めた物と島の墓に埋葬する。そう解釈したのだと世間はいう。 「なに、それ? 随分と高価なものね」  ファムの視線は目敏く、ロザリオに気がついた。 「開かないんです」  ミックがロザリオをファムに渡す。 「開く? 中に何か入ってるの?」  ファムが蓋を開けようと回したがびくともしない。 「錆び付いているみたいですね」  アスカは、落胆した。 「それなら、お湯に浸けてみよっか?」  ミックがとんでもないことを言い出した。 「そんなことをして大丈夫かな?」  理由が分からずにアスカはミックを見る。 「ジャムとかの蓋が空かない時は、お湯に浸すんだよ」  ミックが机に置いたテイポットを示した。 「だったらペンチで回した方が良くない?」  ファムが続けて案を述べる。 「ペンチだと壊れるし、水は錆が増えそう」  アスカは、紅茶を飲んだ。 「ねえ。今日はネリーは来る?」  ファムがミックに訊ねる。 「ネリーは明日。今日は孤児院の掃除の日」 「そっか、残念ね。あの子ならこれくらい開けそうだけど」 「ネリーの力だとロザリオが粉砕するんじゃないかな?」 「そうかしら。それにしても働き者よね。お金はあるくせに」 「ファムさんとは違うんだよ」 「なんですって!」 「今、お水お持ちしますね」  ミックが、駆け足で厨房へと逃げ去った。
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