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「まったく、あの子はいつも一言多いんだから」
ファムが席に座る。
「それがミックですから」
「しかし、聞いたわよ。地下街での一件」
ファムがロザリオをアスカに返した。
「誰から聞いたんですか?」
アスカは、ロザリオを捻る。なんの効果も発揮しない。
「情報屋よ。心臓発作なんて笑える話よね」
「不謹慎です。悪党とはいえ人が死んでるんですから」
「そこは、真面目なのね。ついでに、発作となる原因はなんだったか聞いてもいい?」
「どういうことですか?」
「言葉通りよ?」
ファムが足を組む。
「つまり、発作が起きた原因があるといいたいんですか?」
アスカは、聞き返した。
「だから、そう言っているじゃない」
ファムは、笑った。
「黙秘します。調査結果の口外は禁止されています」
アスカはきっぱりと断った。
「お固いわね。でも、やっぱり病気が原因じゃないわね」
ファムが、ミックの気配に口を閉じる。
「はい。お水と失敗したお菓子はサービスです」
ミックが二人の前に皿を置いた。
皿には、大きさが違うクッキーが積まれていた。
焼き上がったばかりなのか、香ばしい匂いが漂う。
「ありがとう!」
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