Memory2

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「まったく、あの子はいつも一言多いんだから」  ファムが席に座る。 「それがミックですから」 「しかし、聞いたわよ。地下街での一件」  ファムがロザリオをアスカに返した。 「誰から聞いたんですか?」  アスカは、ロザリオを捻る。なんの効果も発揮しない。 「情報屋よ。心臓発作なんて笑える話よね」 「不謹慎です。悪党とはいえ人が死んでるんですから」 「そこは、真面目なのね。ついでに、発作となる原因はなんだったか聞いてもいい?」 「どういうことですか?」 「言葉通りよ?」  ファムが足を組む。 「つまり、発作が起きた原因があるといいたいんですか?」  アスカは、聞き返した。 「だから、そう言っているじゃない」  ファムは、笑った。 「黙秘します。調査結果の口外は禁止されています」  アスカはきっぱりと断った。 「お固いわね。でも、やっぱり病気が原因じゃないわね」  ファムが、ミックの気配に口を閉じる。 「はい。お水と失敗したお菓子はサービスです」  ミックが二人の前に皿を置いた。  皿には、大きさが違うクッキーが積まれていた。  焼き上がったばかりなのか、香ばしい匂いが漂う。 「ありがとう!」
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