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アスカは言った。
「どういたしまして。ゆっくりしていってね?」
ミックが、次の客を接待しに席を離れる。
ファムが、少し焦げたクッキーを口にした。
アスカも甘い匂いに誘われて、クッキーを摘む。
「さっきの話、またまた事件の予感よね」
ファムが、話を蒸し返す。
「島は狭いのにどうして事件が起きるんだろう?」
アスカは、素直な疑問を口にする。
「それは私たちが平和を知らないからよ。事件がないほうが気持ち悪いもの」
「ファムさんは事件に慣れ過ぎなんです」
「そうかしら? 平和ってものを教えてほしいとは思うけれどね」
「私も知りたいです。平和ってなんでしょうか?」
アスカは聞いた。
「さあね?」
ファムは、返事をして水を飲む。
アスカは、ロザリオを眺めたが、眺めたところで何が変わるものでもなかった。
「それ……」
いつの間に居たのかマナの息子のライトが、席に近寄って来る。
「こんにちは。これがどうかしたの?」
アスカはロザリオをライトに見せた。
「母さんのによくにてる」
ライトがまじまじとロザリオを見つめる。
「あ、そっか。ライト君のお母さんも神官の人間だったね」
アスカは言った。
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