Memory2

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 アスカは言った。 「どういたしまして。ゆっくりしていってね?」  ミックが、次の客を接待しに席を離れる。  ファムが、少し焦げたクッキーを口にした。  アスカも甘い匂いに誘われて、クッキーを摘む。 「さっきの話、またまた事件の予感よね」  ファムが、話を蒸し返す。 「島は狭いのにどうして事件が起きるんだろう?」  アスカは、素直な疑問を口にする。 「それは私たちが平和を知らないからよ。事件がないほうが気持ち悪いもの」 「ファムさんは事件に慣れ過ぎなんです」 「そうかしら? 平和ってものを教えてほしいとは思うけれどね」 「私も知りたいです。平和ってなんでしょうか?」  アスカは聞いた。 「さあね?」  ファムは、返事をして水を飲む。  アスカは、ロザリオを眺めたが、眺めたところで何が変わるものでもなかった。 「それ……」 いつの間に居たのかマナの息子のライトが、席に近寄って来る。 「こんにちは。これがどうかしたの?」  アスカはロザリオをライトに見せた。 「母さんのによくにてる」  ライトがまじまじとロザリオを見つめる。 「あ、そっか。ライト君のお母さんも神官の人間だったね」  アスカは言った。
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