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数年前の日記に表記がある。
(白い生き物の名前は、セスナ。別の世界から来たらしい。神様だと言った)
アスカは、自分で書いた文字に頭痛を覚えた。
頭の奥がつきつきと痛む。
(なに、この感じ)
今までにないほど、気持ちの悪い感覚がアスカを襲う。
アスカは、日記を閉じた。
明らかに忘れて過ごしている感覚がある。
思い出そうとすればそうするほどに苦しくなるばかりだ。
涙が溢れて止まらなくなった。
アスカは、自分がおかしくなったのではないかと必死で泣くのを堪えたが、溢れた雨は止まらない。
哀しいとか虚しいとかそういうものではない。
思い出せない事実が辛かった。
アスカは日記を投げ付けた。ともすれば燃やしてしまいそうな勢いだった。
(どうしたのかな?)
爆発しそうな苦しみに耐え兼ねて、アスカはベッドに潜り、身体を抱きしめる。
目をつむったが、悪夢で何度か飛び起きた。
夢にも逃げられない苦痛に、不調が重なり、次の日は起き上がることができなかった。
警隊に連絡をして休みを取る。
事件と護送以外は、人では要らない部署だけにすんなりと休めた。
その夜、コアリスが下宿を訪れる。
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