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夢が、永遠になると誰かが言った。
少女は霞の中で、扉に出会う。
少女は自分の意志で空間を歩いて、喚ばれるままにそこにたどり着いた。
誰かが、少女の夢は永久に叶わないと罵った。
それでも少女は、夢を追う。
霞の中に扉は浮かぶ。
扉の向こうから微かな声が、少女を呼んでいた。
扉は、大きかった。
高嶺まで伸びていて少女には、扉の先が見えない。
少女が扉に触れると、扉は音もなく開いた。
扉の先には、広大な大地が広がる。
扉を越えて、少女は赤茶けた土の上に出た。
少女を背後にした扉が、消える。
少女は、振り返ってから少し戸惑った。
「おいで」
少女を誰かが呼んだ。
遥か向こうから声が飛んできた。
少女は、迷いながらも歩き始める。
世界は、くすんでいて、空気は汚れていた。
建物も見当たらず、生き物の影もない。
息詰まるような空白が、少女を囲んでいる。
空は黒い雲が覆い、大地は赤土の上に瓦礫が散らばる。
破壊の跡地という言葉が良く似合っていた。
生臭い風が吹く。
埃が少女の服を汚した。
少女は、咳込みながらも歩き続ける。
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