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彼がある日、思い詰め、自殺をしようと町のはずれの神社の裏にある山へ向かったそうです。
神社は寂れていて人はおらず、
裏山までは簡単に入れたそうです。
草木を分け入りしばらく奥へ。
すると、桜の木が何本か立つ空き地へとたどり着いたそうです。
それからさらに奥へ。
しかし、そこから先に進むと、
驚きの光景が広がっていたと
いうのです。
冬だというのに、彼岸花が
一面に咲き赤い絨毯に見えた
そうです。
彼岸花は秋の花、そして
三途の川の岸に咲く花としても
有名な花。
彼はもうすでに死んだのだと
思ったそうです。
しばらく歩いていくと、ふと
人生でやり残したことを
思い出し、と同時に不快感を
覚えたそうです。
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