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魔法使いと平凡男♪
平凡が一番。
それが僕だ。
椎名誠だ。
僕は本当に平凡な毎日を暮していた。現在は一人暮らし。何故かというと僕の母と父は離婚していた。妹もいたのだが、母のほうへついていき、一方僕は父のほうについて行った。その父が僕が中学三年生のころ、卒業間近の時、交通事故で亡くなった。僕は行く宛てがなかったため、中学も卒業するため、一人暮らしを決意した。家事はすべて僕がやる。確かにはじめは辛かったが、慣れてしまえば楽なものだ。
そんな僕。今は買い物の帰りだった。
道路が茜色に染まり、今にも日が沈んでしまいそうだった。春風が僕の体をやさしく包み込む。僕はいつもの帰り道である公園を突っ切ろうとした。
公園の木は桜満開で、夕日に照らされる桜がより一層輝きを放っていた。そんな桜に見とれているときのことだった。
―――――シュッ!!!!
―――――バシュッ!!!
一瞬、僕の頭上を何かが通る音がした。そしてそのあとに鈍い音。僕はすぐに自分の後ろを振り返った。
一気に血が引くのを感じた。
そこには木に思いっきり刺さっている30センチぐらいの刀があった。
僕は一瞬で理解した。
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