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止めをさし、気絶させる。
人質だった子に「おいで」となるべく安心させるように優しく語りかけた。
手を差し伸べれば凄い勢いで飛び付かれ驚いたが無理もないと思う。
この恐怖は体験した人じゃないとわからないから。
まだ幼い少年は、今まで我慢していただろう涙を目の縁一杯に溜めて大声で泣いた。
大丈夫だよと僕はあやしながら背中を撫でる。
その少年の声を外から聞き付けた警官たちは、ドッと倉庫の扉を破壊して乱入。
この状況を見て唖然。
「なッ…なんだコレは!てか君!!一体誰だね!」
……おーおー。脂汗額に滲ませながらはち切れそうな腹回りのシャツのボタンという何ともみっともない格好でのご登場ですか。
お偉いさんかなぁ?
「今日西本町から港区に派遣されて来ました、氷坂葵です。痩せた方がいいと思われまーす!こんな上司嫌だ!ベスト3に入りそうですね!あとー、静かにしてね~、少年怯えてんじゃん?可哀想に…あ、お母さん?綺麗な人ですね~?貴女の息子さんは無事ですよ~」
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