1章

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 学校に着いた俺達は少々その広さに圧倒された。ふむ、やっぱり良いものだな、新しい物というのは。  玄関に入り、傘をたたんで皆が群がっている場所に行く。大体この辺にクラス表があるはず。  おお、木村と同じクラスか。まぁ、悪い気はしないな。知り合いがいるのは大分心強い。  我々1-3の教室は3階にあるそうだ。……少し遠いな。あまりギリギリに来るのは得策では無さそうだ。 「うーん、良いねー!この明日への期待を感じさせる感じ。やはり新しい物っちゅーのは良いもんだ」  木村が大きく伸びをしながら言った。言うことが被ったが、今は機嫌が良いので気にしない。  他に知り合いはいるかなー、とクラス表を眺めていると「ぐぁぁぁぁぁ!ミスったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」不意にそんな声が聞こえた。  バカ野郎。耳元で大声出しやがって。 「あんだよ、キム。何をミスったんだ?」 「?何の事だよ。まだ俺は何もミスってねえよ。あと、キムってやめろ」 「あ?お前今なんか叫んだろ。」 「何の事だよ。遂に幻聴か?」  ……あれ?
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