1章

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「食パン半分?なんだそりゃ。もしや、それしか食ってないのか?」  そうだよ。お陰様でさらに元気出なくなりそうだが。 「やっぱそうか。いや、そうだと思ってたんだよ」 「なんだそりゃ?」  こいつはまたワケわからんことを……。あれ、なんだそりゃってうつっちゃったか。 「ああ。腹減ってる時ってさ、空腹を抑えるためにくっ!て胃袋に力入れて誤魔化そうとするだろ?」  そういうもんか? 「そういうもんなんだよ。で、そうすると猫背になる。つまり、腹が減ってる時は猫背になる。お前はさっき猫背になってた。つまり腹が減ってる。証明終わり。」  得意気な顔で胸を張るこいつは相当バカなんだろう。ほら、傘がずれて制服が濡れた。  それに、猫背なのはもとからだ。直そうと思っても、中々こればかりは直らん。
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