憂い

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「いーっていってるだろ! 鬼にすんなよ。俺だって前の日くらい休まないと、試合でぶっ倒れたら困るし。 それに、俺強いし?」 ふわり、と悪戯っぽい笑みを浮かべる由樹。 思わず 私まで くす、と 笑みがこぼれてしまう。 「…そうかもね。」 由樹は、幼稚園の頃からずっと一緒に過ごしてきた存在。 由樹だけは私の味方でいてくれる。 そんな由樹と過ごすこの時間は 私にとって何物にも変えがたい、かけがえのないもの。 「そうだ! ほたる、この前出した宿題!できたか?」 「え?あー、数学のやつ? それなら…最後の以外はできたよ。」 由樹はこうしてお見舞いに来る度、私がいつでも学生としてやっていけるように 学校の勉強を教えてくれる。 「よし、教えてやるよ。ここは…」 中学三年から学校行ってないし、 高校生にもなることができてないけれど おかげで私は 年相応の知識が身に付いている。 もともと勉強は嫌いじゃないって言うのもある。 でも、一番は由樹が、 「これは、先にXを微分するんだよ。で、最初の式を、Y=Kにして考えるの。」 時間を割いて 教えてくれるから。
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