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真っ黒でなにも見えない場所。
どこまでも続く闇のなかを 私は必死に走っていた。
何かから逃げるように…
また夢を見ているんだなと思う。
『――ほたる』
びくっ
心臓が跳ねる。
大嫌いな声。私の名前を呼ばないで。
逃げなきゃ、にげなきゃ、
じゃないと私…っ
――ガッ
「っ!?」
強い力で、髪をひかれる。
いたい、いたい。
夢だというのに、引っ張られているのは髪だというのに。
『ほたる』
全身に走る鈍い痛み。
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