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ビッグマンはそう言うと何かを考えだした。
「人狼の研究してるなら一つお願いがあるんだが…」
「はい?」
クレハはビッグマンにそう言われると小屋に連れて行かれた。
「土砂の撤去は明日の朝ぐらいから始める予定だ。道が通れるようになるまで人狼の事を探ってもらいたいんだ。」
「え?人狼をですか?」
「あぁ、街から調査団を送ってもらったんだがあの道では誰も通れない…だから今の内にある程度資料を集め時たいんだ。」
ビッグマンはそう言うと目の前にある布を取った。
「…!?」
その台には喉を食いちぎられ足と腕が無い死体があった。
「今朝、湖の辺で見つかった死体だ。」
「…喉から…遠くの村の事件はどのような状況だったんですか?」
「遠くの村は噂では首無し死体が多かったと聞くが…」
(違う一族?基本的に人狼は毛の種類や狩りの仕方で分かれる…コイツの場合は急所をワザと外してる…いたぶりを目的にしてる訳か…)
「まだ、何とも言えませんが…恐らくその遠くの村の事件とは別の人狼かもしれません。」
「別の?」
「はい、彼らは自分達一族の狩り方を重んじています。」
クレハは死体の喉を指差した。
「まず、遠くの村を襲った人狼達は捕食を目的として狩りをします。首から下…内臓を好んで食べる一族、つまり狼としてのプライドが高い一族だと思われます。」
「人狼にプライドが高い奴らが居るのか…」
「しかし、この死体を見る限り彼らは内臓に手をつけず腕、足…喉っと言う具合に順番にいたぶるのを目的として殺してるみたいです。」
「…」
「たいがいは毛並みや色でわかるんですが…その痕跡が無いところを見ると知能が高く、人間を見下した奴だと思われます。」
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