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「ふぅ……」
重い溜め息を吐き、自動販売機にお金を入れ、適当なボタンを押す唯。
ゴトゴトと大袈裟な音を上げながら、自動販売機が吐き出した飲み物を拾い上げる彼女のポケットが、僅かに揺れ始める。
「ん?」
飲み物をポケットにしまい、代わりに携帯電話を取り出す唯。画面に表示された知らない番号を確認すると、眉を潜めながらも慣れた手付きでそれを操作し、電話に出る。
「もしもし」
「……そちら、神々重 唯様の携帯電話でよろしいでしょうか」
知らない女性の声。唯は急に真剣な表情を浮かべる。
「誰ですか?」
「私、『密告遊戯』運営委員の者です。次回の『密告遊戯』についての報告のためにお電話しました」
ぴくりと眉を動かし、唯は考え込む。
「何でしょうか」
「次回の密告遊戯は、『特別』です。これまでとは違うルールにて争われます」
「違う……ルール?」
「はい。勿論、そのルールを今ご説明する訳にはいきません。更に、唯様には関係ありませんが、今回は選抜の試験がありません」
「……! メンバーが初めから決められている、ということですか!?」
数名の生徒が見える廊下に、彼女の声が響く。
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