遊戯

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  「その通りです。参加者については現在検討中です。更に、唯様と友樹様は今回、運営委員としてではなく、一挑戦者として挑んで頂きます」 「……! 何でですか?」 一瞬、電話の向こうから鼻で笑うような音が聴こえる。 「当然です。あなた方は運営委員として、選抜試験を行わずにゲームに参加し、賞金の一部を運営に献上する。しかし、試験が無いのですから、我々も賞金の一部を受け取る訳にはいきません。今回の措置は、あなた方のためなのです」 「……」 建前だ。と、彼女は見抜いていた。そんなもの、わざわざ運営委員の資格を剥奪してまで通すことではない。 「……大丈夫ですよ。あなたには、無敵の友樹サマが付いているのですから。では、また」 背筋が凍り付いた。 通話の切れた携帯電話を睨み付け、唯は額から流れる汗を拭う。 『彼ら』は、密告遊戯に於いて無敗の王者である友樹を、その王座から引き摺り下ろす気だと、彼女は直感していた。  
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