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「レクリエーション用……だとぉ……!」
顔を真っ赤にしながら、忠司は長身の男を睨み付ける。上から押さえ付けるスーツ姿の男達の手を解こうと足掻くも、彼らの筋肉質な体はぴくりとも動かない。
「クソッ……!」
悔しそうに歯を食いしばる男を余所に、友樹と少女は部屋の入り口の方へと歩き出す。その二人の後ろ姿を睨み、忠司は叫ぶ。
「覚えてろ! いつか……いつかお前らを絶望させてやるからな!」
その叫びに構わず、少女は部屋を後にした。しかし友樹だけは足を止め、振り返らずに口を開く。
「楽しみにしていますよ。また会いましょう」
「……!」
言い終えるより前に立ち去った友樹。閉じられた扉を睨み付け、床に伏す忠司は舌打ちする。
「ナメやがって……!」
ある一つの『趣味の悪い遊び』が、閉幕した。
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