悪逆

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  「随分、早いのね。朝食にはまだ時間があるわ」 「そう言う君も、ね」 ケラケラと笑いながら、訝しげな表情の優輝の元へと歩いていく清太。その距離が、段々と近付いていく。 彼は席に着くこともなく、テーブルに片方の手を置き、優輝の顔を覗き込むように屈む。そして、彼らしからぬ真剣な表情を浮かべた。 「君の『お仲間』は随分と優秀みたいだね」 「……!」 「もしかして、君、何か『狡いコト』とかしてないよね?」 それは、一回戦目で彼女が友樹を脱落させたことを言っているのだろう。 ゲーム開始から一分と経たぬあの時に彼の役職を知るなど、普通に考えれば不可能である。 彼女の所属する、『運営委員の者』以外には……。 彼女が運営委員の仲間から情報を得ていると言うのならば、このゲームを真面目に戦うなど、こんな馬鹿馬鹿しいことはない。 「……どうかしらね」 彼女は清太から顔を背け、それ以上何の言葉も発することは無かった。  
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