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二日目
無音の室内。プレイヤー達の胸中で、開始の鐘が鳴る。
ちらりと自らの携帯端末を確認する、運営委員の使者・杉原 優輝。その姿を、周囲の何人かがじっと見つめている。
直ぐ様端末をポケットに滑り込ませたところから察するに、昨日のような『番狂わせな展開』は期待できないらしい。
安堵する唯と清太。その後方で、彼女の動向に一番興味を示すべき王者・友樹が、自らの携帯端末を確認する。
そして、十人のプレイヤーの中でもう一人、自らの携帯端末を逸早く確認している者がいた。
『負け犬』・鍵本 忠司である。
その手に掴んだ端末の画面には、まるで悪巧みをしているかのような妖しげな笑みを見せながら、銀色のダガーを手の上で遊ばせている『悪党』の姿がある。
彼はその姿を確認した後、ほんの一瞬だけ、ニィ、と口許を歪ませ、そして何事も無かったかのように、広間の隅へと移動した。
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