ジャックと豆の木

ジャック「………"あのバカな男"…？………お父さんの事か……お父さんの事かァァァァァ！！！」

　ジャック、覚醒。

　父を馬鹿にされ、怒りが頂点に達したその時、ジャックの全身から爆発的な光が放たれた。

　驚いて咄嗟にジャックを離してしまった巨人の手から解放されたジャックは、金色の光を全身に纏い、宙に浮かぶ。

　綺麗な短いブロンドの髪は背を覆うほどに伸び、蒼白の稲妻が小さな体を取り巻く。

巨人「なっ、なんだ貴様は…何が起こったんだ！？」

スーパージャック「お前の知る必要はない」

巨人「ぐっ！…生意気なぁッッ！！」

　巨人の岩のごとき拳が放たれる。真正面から迫るソレを静かに見つめたジャックは、

　トンっと、左手の小指を当てて巨人の拳を止めた。

巨人「（……こ…こっ…小指だとぉぉぉぉ…！！？）」

　驚愕に打ちのめされた巨人はヨタヨタと後退する。ジャックは宙に浮いたまま、身動ぎ一つせず巨人を睨み付ける。

　巨人は意を決してジャックに背を向け、家の奥へと逃げ込もうとした。しかし、

スーパージャック「どこへ行く？」

　瞬間移動のような速度で巨人の前に回り込み、驚愕する間も与えず小さな右拳を巨人の腹に叩き込んだ。