ジャックと豆の木

14/14
前へ
/14ページ
次へ
 ゴバァァァァァン!!と大きな音とともに、巨大な扉を破壊してくの字に折れた巨人が吹き飛んできた。  壮大に雲の上を跳ねるように転がった後に身を起こそうとするが、大量の吐血によって妨げられる。純白の雲が赤く染まった。  意識が朦朧とする中顔を上げた巨人。その眼前に、ジャックは一瞬にして現れる。 スーパージャック「今なら命までは取らない。もう二度と人間に迷惑をかけないと誓うならな」  腕を組んで静かに言うジャック。巨人は数秒黙って、 巨人「人間などに屈服するなんて、巨人の恥だ」 スーパージャック「なら、死ぬしかないな」 巨人「死ぬのは…貴様だがなァァァァァ!!!」  咆哮とともに腰に差していた超巨大の剣を引き抜き、巨人はジャックめがけて横凪ぎにそれを振るった。  大気を引き裂く巨大な銀の刃は、ジャックの小さな体を真っ二つに両断する。 巨人「やった!」 スーパージャック「残念、残像だ」 巨人「っっ!?」  まさに、一瞬。小さな手のひらから放たれた光に飲まれ、巨人の体は瞬く間に消し炭になった。  後片もなく消し飛んだのを確認し、ジャックは空を見上げた。 スーパージャック「仇…取ったよ、お父さん」  ジャックの笑顔は、優しくも儚げに浮かんでいました。  それから、ジャックは使用人と結婚し、母親と三人で幸せに暮らしました。   めでたしめでたし。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加